糖質制限はいろいろと批判にさらされながら、世の中にかなり定着してきた感がある。
これに関しては私もいろいろと本を読んでみたが、論点が錯綜しているところがある。江部康二さんなどは、糖尿病対策として糖質制限をとらえているが、夏井睦氏は糖質制限を一般化し糖質不要論を展開している。
もっとも糖質が一切不要といっても、野菜でも肉でもある程度の糖質は含まれる。夏井氏はその程度の糖質で十分だという考えだろう。
また横田邦信氏の糖尿病をマグネシウム欠乏症としてみる考えもある。私はこれを最近知った。
戦前の日本人は今の日本人よりもコメで糖質を沢山摂っていたのにもかかわらず今のような成人病、慢性疾患があまりなかったのはなぜか?という疑問から出発して、原因にエネルギー代謝に必須なマグネシウムの欠乏があると考えた。この考えはおそらく重度のマグネシウム不足=糖尿病というものだろう。
これはこれでどうやら一理あると思われる。しかし、マグネシウム不足は環境的なものなので殆どの日本人はマグネシウム不足だと思われるが、糖尿病にならない人もいるのはなぜなのか?
いずれにしても、食を炭水化物だミネラルだとたんなる要素を取り出して単純化しすぎている気がしてならない。
フードインクという映画を観ると現代のアメリカの食肉産業の悪魔的な地獄のような裏側が描かれている。これを見るとマクドナルドのようなファストフードには行きたくなくなる。マクドナルドのようなファストフード業界の隆盛がアメリカの食肉産業をここまで狂わせた。さらに遺伝子組み換え食品GMOのモンサントのような邪悪そのものといえる企業がある。アメリカはどうしてこれほど邪悪で狂暴な企業ばかりなのだろうか?
しかし日本も面積あたりの農薬や肥料の使用量は世界1でチャイナや欧米の何倍も使っている。硝酸態窒素の残留基準すらなく欧米では流通できないような野菜やコメが大量に国内では流通している。
さらに昔に比べて栄養価も数分の1、十数分の1とすかすかなものになっている。
その結果、サラダを食べてもミネラル不足、ビタミン不足になる。
その点、自然栽培で作った野菜や果物、穀物は栄養価も高く、保存しても腐らないそうだ。腐らずにただ枯れるだけ。
20世紀は農芸化学が農業を化学工業、化学産業にしてしまった。これがさらに遺伝子工学産業にまでなってきているわけだが、これは間違いだったということだ。生物も自然も何も分かっていないのに極度に生命を単純化し貶めてしまった。農業を工業産業にし、百姓をただの工場の単純作業員にさせてしまった。
安全でない不健康でまずい食材をいくら作っても意味がない。
21世紀はAIもどんどん進歩してホワイトカラー的な仕事は必要なくなるわけだが、人間が農作業に回帰して自然栽培をするようになればいいと思う。知能偏重な社会になっても、人間はますますバカになるだけだ。農作業をしていた方が豊かな人生になるのではないか。
マイクロバイオーム、マイクロバイオータの生命観、世界観はこの10年位のものだろうが、これは従来の農芸化学=農業への本質的な否定につながっている。それは自然栽培、自然農法につながっている。
posted by libertarian at 09:36| 東京 ☀|
et cetera
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