「地球で最も高価な液体はインクだ」コダックがプリンター市場の価格破壊に挑む
2007年5月28日 月曜日 FINANCIAL TIMES,John Gapper
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20070525/125620/
この記事によると、コダックの「イージーシェアプリンター」で、詰め替え用インクカートリッジの値段を安くするらしい。(黒インクが9.99ドル、カラーインクが14.99ドル)
一方、プリンタ本体は通常より高めのようだ。
この記事によると、”消費者はブランド製品の方がうまく機能すると思い込んでいるのだ”としているが、メーカー物を選ぶのは、消費者の間違った思い込みとも言い切れない。
さらに、”プリンターを頻繁に使用する人が、プリンターを安く購入しながら大して使わない人の分を支払わされている格好”とあるが、これも間違いだ。
もしプリンター本体を1万円で買った人が、結局1枚しか印刷しなければその1枚のコストは1万円となる。もし1000枚印刷すれば、1枚辺りの印刷に対するプリンタの減価償却?は10円だ。
前にもプリンタの問題は書いたことがあるが、インクの高価格に対する消費者の憤慨があるとすれば、それは錯覚に過ぎない。
この記事でもHPのプリンタ部門の収益は16%だからあながち暴利をむさぼっているとも言えないと冷静なことも書いているが、もし、暴利になるような価格設定構造があるのであれば、そこを競合他社が必ずついてくる。
インクプリンターという現代の写真印刷装置は、本物の写真DPEなどの多くの競合要因を外部に持ち、ぎりぎりの合理的な価格設定になっている可能性が高い。
それにコダックの戦略は、インクの値段としてそれほど劇的に安いわけではないから、プリンター市場に対するインパクトにはならないだろう。
業務用で使うヘビーユーザーは、インクジェットプリンターでなくレーザープリンターを使うのであり、インクジェットプリンターという一般家庭用途の使用頻度の低い周辺機器に対して、ヘビーユーザー向けの価格戦略をとっても、もともと魚のあまりいないところに釣り糸を垂らすことになるだろう。

