最低賃金の引き上げが、またぞろ民主党〜共産党など左派勢力から国会で取り上げられているようだ。
こういう入門レベルの経済学を理解していない人間が、国会議員となっているのは困った問題だ。
しかし、この最低賃金引き上げというのは、主にアルバイトなどを対象としたものだが、
景気のいいときは、正社員に対しても、組合がベアの引き上げを毎年行っていたのであるから、これも最低賃金の引き上げと同じような効果があったろう。
だが、最低賃金法もよくよく考えると、なかなか難しい。マクロに見れば、最低賃金の引き上げは、雇用者側にとっては、雇用抑制のインセンティブになり、失業者を増加させる。しかし採用される人間のメリットと、雇用抑制によって採用されなくなる人間のデメリットを考えなければならない。
採用されている人間にとっては、賃金の引き上げは、それが隠れたインフレによるものでない限りはラッキーなことだ。採用されないリスクと、賃金の上昇によるメリットによる主観的兼ね合いが問題となる。そして、採用されないリスクは目に見えないので、過小に評価されることになる。
また、一方で最低賃金の引き上げで採用されなくなった人間には2種類ある。
つまり、その賃金でもやはり働く気のない人間と、最低賃金法以下の賃金(例えば800円)でも採用されない人間である。
おそらく、最低賃金法のような一律の全国規制が破壊力をもつのは、むしろ地方で顕著だろう。都市部で賃金が高くなるのは経済原理上、自然なことであり、地方に行くほど賃金が下がるのも当然のことだ。だが、地域差を容認しない最低賃金規制では地方の雇用抑制のインセンティブとして強烈に作用するはずだ。
これは、地方の労働者にとっては、都市部に移動するインセンティブになり、地方の過疎化を促進する。そして、ますます地方は住み難い環境になるということだ。

