Becker-Posner Blogで、銃規制の問題が論じられている。
February 18, 2008
Can Gun Control Laws be Effective?
http://www.becker-posner-blog.com/
アメリカでは、こないだのイリノイの銃乱射事件や、コロンバイン事件など、異常者による派手で悲惨な大量殺戮事件が後を絶たない、、というほどに、頻繁でもないのだろうが、こういった事件は印象が強烈だ。
課税による価格コントロールによって銃の需要に対するネガティブフィードバックを起こそうというアイデアである。 たしかに一丁のピストルが100万円であれば、一般人の需要は減ることは間違いない。つまり、ベッカーは次のような負のフィードバックを期待しているわけだ。
銃の値段が高くなる→気軽には買えなくなる。(だが禁止ではないのでどうしても欲しい人は買える。)→さらにブラックマーケットへの銃の供給者に対する厳罰化→ブラックマーケットの銃の価格が上昇→表と裏の市場で銃の価格が上がり需要が減る→銃の保持者が減少→他人の保有が減れば銃の所有ニーズが減少→銃の値段が高くなる。・・・・・
Beckerのアイデアは、税と、法律の厳罰化の2つの仕組みを用いた価格コントロールであり、よくある考え方だろう。
これに対してPosnerの意見は、ベッカーの意見に対する補足的なものだ。
ポズナーは、銃のような殺傷力の高い武器が、アメリカで1億丁以上も所有されているのは、アメリカの歴史的な背景があるという。
アメリカ合衆国は、革命で生まれたが、その革命で使われた武器の大部分は個人的に購入され所有されたものだった。
2.Hunting was widespread
アメリカでは狩猟が(貴族以外にも)広がった。
国内の専制に対する防御として、州民兵への武装が、憲法のthe Second Amendmentに採択されたこと
といったことを挙げている。
もとより今回のイリノイ事件やコロンバイン事件のように、自殺志願動機をもった異常者の犯罪に対しては、厳罰化に意味がないのは明らかだ。人を殺しておいて自分は銃で”安楽死”をするわけだからだ。だから価格メカニズムによる抑制を考えているわけだ。原則禁止はしないが、総需要は抑えられる。
いずれにしても、アメリカは憲法で今のところは銃を所有する権利は保障されている。
私の考えでは、価格を上げたところで犯罪者が銃という殺傷能力の高い武器から、刃物のような武器にシフトするとは思えない。 だがベッカーやポズナーは銃が減れば、そうなるだろうことを期待している。
むしろ銃の価格があがれば、利益率が高くなり、インセンティブも当然に増大する。これを厳罰化によって止めることは麻薬同様にできないだろう。
かえって値段が高くなればなるほど確信的犯罪者に銃が渡り、その他の人は無防備になるかもしれない。
銃擁護派は、銃が人を殺しているのではなく、人が人を殺すのだというが、これも事実ではある。
銃という武器は、ナイフよりは殺傷力が強いが、爆弾よりは弱い。全ての人が爆弾を護身用?に持っているとしたら、普通クレージーな状況と思うだろうが、銃は刃物に近い感覚なのだろうか?
だが、これもマシンガンのような重火器になると、所有を認める意味があるとは思えない。
ここらは、社会的に認められる護身兵器としての感覚的なものがある。
やはり、このような悲惨な事故が起ころうとも、政府を信用して、反抗の爪を抜かれるようなまねはするべきではないのだろうと思う。
このようなことを言う体制派の宮廷知識人を、リバタリアンは信用しないだろう。

