投資には、Active投資とPassive投資がある。
株式投資のプロと称する人間や投資本は世にあまたあるが、これらはこの2つのどちらかに必ず分類される。
Passive投資の考えは、TOPIXのような指数に一定額を定期的に投資する方法だ。株式の動きが純粋なランダムウォークだとすれば、必然的にPassive投資が数学的な正解であり、仮にActive投資でどんなに儲けていたとしても、それは”まぐれ”に過ぎないということになる。
よってウォーレン バフェットも偉大な投資家ではなく、単なるまぐれの長者ということになる。
ニコラス タレブの考えなどはまさにこのPassive派であろう。またハーバードの資産を10億ドル強から20年間で180億ドルにまで増やしたデヴィッドスウェンソンなども実はこのパッシブ投資をやっているだけらしい。
#この平均利率は15%強となり、当然、国債利率よりも遥かに高い。
一方のActive投資は、ファンダメンタルズやテクニカル分析を駆使することで、Passive投資よりも高い効率で儲けることが可能だと考える。Passive派は、相場がランダムウォークである以上、Active運用がPassive運用を上回ることはまぐれ以外、数学的に不可能だと考える。しいては、いかなる分析手法も無意味だと考える。
ところで株式の動きがランダムウォークであるには、次の条件が成立する必要がある。
1.取引コストが0→手数料が0
2.情報コストが0→情報は瞬時に市場に反映される。
3.全てのプレイヤーが利益をなるべく増やし、損失をなるべく抑えようとしている。→これを合理的投資行動という。
この3条件が全て成り立つ市場が完全効率市場と呼ばれる。つまり完全効率市場=ランダムウォークだ。
たしかに、この3つのうち1はなく、2もタイムラグがあるかもしれないし、インサイダー取引によるズレもあるだろう。3は全てとは言わなくてもごく少数の人間しか非合理的投資行動をとらないに違いない。
となると、(1×2△3○)ということで、株式の動きがランダムウォークであるという条件は完全には満たさないことのほうが多そうだ。
つまり、株式の動きがランダムウォーク=ブラウン運動と同じであるには、統計的に人間行動を均質化してしまう条件を設定する必要がある。しかしActive派は、株式市場が人間活動の一つである以上、非効率な部分があるはずだと考える。
市場に非効率な部分があるかといえば、それは事実存在する。例えば、仕手株は人間が操作した相場であるから、これはランダム相場ではない。不祥事事件でマスコミにた叩かれて急落するのもランダム現象ではない。
日本の株式市場は、東証1部のブルーチップ銘柄を除けば、”常にランダムウォークする”銘柄ばかりではないだろうと思われる。昨今、株式持ち合いが解消されつつあるとはいえ、基本的にはまだ未熟な市場であるために不完全効率市場というのが現実だろう。その証拠に仕手株などは欧米の市場にはほとんどないらしい。一方、日本市場では資金力のある組織ならどこでも仕手相場を演出しているようだ。それだけ市場が未成熟なのだ。
Active派の巨額の投機マネーは、世界中の新興市場など、未熟な市場を目指して移動する。だが、これによって市場もどんどん成熟していき、完全効率市場にじょじょに近づいていくことになるのだろう。株式市場を鎖国しないかぎりはだが。

