2008年11月03日

Mechanical expansion of rights

財産の概念がつい最近になって拡張して適用されるようになった別の分野において、独占の防止と競争の維持の問題がいっそう深刻な形で提起されている。ここで私が考えているのは、発明のための特許、著作権、商標のような権利と特権にまで財産の概念を拡張することである。
これらの分野にたいして物質的な物を対象として発達してきた財産の概念をそのまま機械的に適用することは、独占の伸展を助けるのに非常に大きな力を貸していること、そしてもし競争が作用するようにされるべきであるならば、この分野で思い切った改革が必要とされるであろうことは、私には疑念の余地がないように思われる。
とくに工業の特許の分野においては、独占的特許の授与が科学的研究投資に付随する危険の負担にたいする真に最適で有効な報酬であるか否か、真剣に検討しなければならないであろう。
ハイエク 「自由」企業と競争的秩序 より

このモンペルランソサエティーでの講演で、ハイエクは知的財産(特許、著作権、商標)に対する批判と、会社を法人とする機械的な権利概念の拡張などに対して、疑義を唱えている。
まとまった論文ではなく、その後ハイエクがこの議論を発展させたかどうかは知らない(多分してない)が、現代の経済学者〜法学者の間で行われている財産権概念のmechanical expansionを批判する最先端の議論は、このハイエクの根本的疑義を継承しているのである。
#もちろん、こういう高度な議論に対して日本人は完全に蚊帳の外だ。経済学で頑張っているのは池田信夫氏くらいか?法学者ではただの一人もいない。日本における”法学”など学問でも何でもなく、簿記などと同様の実用知識にすぎないのだ。

posted by libertarian at 22:55| 東京 🌁| Comment(2) | TrackBack(0) | F.A.HAYEK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
日本の法学者については、概ね同感です。
ただ、森村進(法哲学)先生の本は面白かったですよ。
白田秀彰(情報法)先生の研究なども、読んでもらいたいです。

これからも勉強させてもらいます。頑張ってください。
Posted by triport at 2008年12月15日 10:28
森村進さんや白田秀彰さんについても、本Blogで言及したことがあります。私は基本的に高く評価はしてません。
Posted by kyuuri at 2008年12月29日 16:45
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