2005年05月13日

「独占禁止法」 : Anti trust

久しぶりに岩波新書を読んだ。

「独占禁止法」岩波新書 村上政博 著

”シカゴ学派のハーバード学派への勝利”うんぬんといった、岩波らしからぬ文言が目に入ったので買ってみた。



独禁法のオーバービューとしては、わりとよくまとまった本ではあるが、やはりダメ本であった。

そもそもこの作者はシカゴ学派にフリードマンなどは入れていないようだ。

リバタリアン系シカゴ学派は、独占禁止法のような政府の強力な市場介入にこそ反対するのである。それは市場擁護の名を借りた、政府の市場介入である。



作者はフリードマンたちが独占の地位を乱用する<略奪的価格設定>など独禁法の神話にすぎないと批判していることを知らないのだろうか?それは経済的に不可能であり、またメジャーズの石油カルテルによるダンピングなども現実には存在していなかった事実を主張しているが、こんなことは今や常識だろう。カルテルにせよ、水平的な共同取り決めにしても、まず自由市場にあっては意味をなさない。



日本特有の規定を全て廃止し、アメリカ型の訴訟蓄積型の競争法体系に日本の独禁法も変わっていくべきだというが、独禁法そのものの存在意義については露ほども疑いをもたず、それが政府による自由市場の促進、擁護行為たりえるものだと無批判に考えている時点で知的議論としては終わっている本である。



結局、この本も岩波特有のリベラル左派による偽善本であった。
posted by libertarian at 14:40| Comment(0) | TrackBack(0) | Law | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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