2006年07月07日

Classical Legalism in USA

世界で唯一、"Constitution of liberty"(=自由の憲法)を保持する大国アメリカにおいて20世紀初頭まで、司法が議会と激しく対立しながらアメリカの自由を頑なに守ろうとしていた。

これをClassical Legalismという。



アメリカの連邦最高裁は、最低賃金法にも違憲判決(1923年 Adkins v.Children's hospital case)を出し、政府の福祉政策や経済政策に対し違憲判決を次々と出し続けたのである。



この政府と裁判所の対立は今にも続くものだが、第2次大戦あたりから世界的な社会主義化の流れにあって司法は劣勢を強いられてきた。

司法と議会との対立がピークに達したのが、Franklin D.RooseveltのNew deal政策に対して最高裁が次々と違憲判断を出した時である。

#これはアメリカが"Rule of law"思想を、最高裁による司法再審理制によって担保しているからできることだ。

日本では違憲立法審査制度は全く機能していない。



しかし当時、ルーズベルトの権力はカリスマ的であったために、最高裁への露骨な攻撃を開始した。(Court packing bill)

これがアメリカの”1937年の大危機”とハイエクが呼ぶものである。

だが、この危機は奇跡的に回避され、"Constitution of liberty"は維持されることになった。



立法府自体が、司法制度を擁護しルーズベルトに対立したからであった。

一時的なその場かぎりの有益性よりも、アメリカの憲法制度を維持することの方が計り知れないほどの重要さを持つということを議会自身が最高裁判所に対して言ったのだ。

この事実をハイエクはアメリカの偉大さと賞賛している。



基本的にリバタリアニズムといっても別に新しいものではなく、こういったClassical Legalismを引き継いでいる部分もある。

”制限された政府”というハイエクのキーワード自体、アメリカの建国からある”自由の条件”の一つをピックアップしただけのものなのだ。
posted by libertarian at 11:15| Comment(0) | TrackBack(0) | F.A.HAYEK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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