2005年08月04日

Arbitration Decision

AIDS薬に関わる特許問題というのは、具体的には裁定通常実施権(強制通常実施権)の問題と

消尽論の問題(もしくは並行輸入問題)がキーになるだろう。

ブラジルが、アメリカの製薬会社の特許に対し、強制通常実施権を行使したわけだが、

これは日本でも特許法93条(公共の利益のための通常実施権の設定のための裁定)で

定義されており、やろうと思えば可能である。



特許法はあくまで国内産業政策でしかないから、そういった裁量的な判断はその政府の判断で自由にやれるのである。

#ちなみにこれは正確にいえば収用ではないから自由にできるわけではなく、通常実施権の設定の裁定ができるだけ。



特許権のような一国の政府が与える特権にすぎないものの効力を絶対視すること

の方がおかしい。

企業側としてもそんなカントリーリスクは最初から分かっているはずである。



並行輸入の問題は、日本でも最高裁では特許侵害ではないと判断されたが(BBS事件)

、消尽論の問題は特許制度が抱える本質的矛盾である。

情報という無体物に、物権と同様の絶対的な所有権を設定している以上、どこをどういじっても、この矛盾を解決することはできないだろう。



この矛盾を糊塗しようとしてHarmonizationという世界社会主義国化?を進めようとする

とんでもない動きがあるが、真の解決は、"Abolish Patent system!"にしかないだろう。

#医薬特許の問題は、FDAや薬事法などのもう一つの強烈な政府規制の撤廃とセットで考えねばならず、特許制度だけを問題にするのは間違いであるが。



Kremerの政府によるパテントバイアウトのアイデアなんかも本質的にダメなお粗末なものだ。

既にいろんな批判があって、ダメなアイデアであることは証明されたようなものだ。

というかまともな人間は相手にしないアイデアだろう。

政府というのは、困ったときのPanacea(万能薬)には決してならないし、マーケットにおける中立性など最初からない。

これは前にも書いたから興味があれば参照ください。

[http://kyuuri.blogtribe.org/entrya87e3be543ca004c792cab4f4bd281ce.html]
posted by libertarian at 10:28| Comment(0) | TrackBack(0) | IPR(Intellectual Property Right) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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