2007年02月11日

憲法で読むアメリカ史

阿川尚之「憲法で読むアメリカ史」PHP新書を読んだ。
この本は非常に素晴らしい。吉野作造賞を受賞したらしいが名著と呼べる本だ。
私がここ数年で読んだ日本人の書いた本の中ではベスト1だ。
(日本人の書いた本はあまり多くは読まないのだが。)

特に、アメリカの法に興味関心がある人には必読の本だろう。
アメリカの歴史を単に出来事から表面的に眺めても退屈だが、その深層にある
法、憲法をめぐる歴史と捉えると、極めて知的なドラマとなる。

日本では、アメリカ法に関する一般的な良書がいままでなかった。
そのため、ごく一部の専門家を除いて、アメリカ法に対する理解は全くなかったのが実情だろう。
この本はアメリカ法を学ぶときに最初に読むべき最良の入門書だろう。
これを読んでから、ポールジョンソンの「アメリカ人の歴史」を読めば、また違った面白さが味わえる。

訴訟大国うんぬんといった程度のイメージでアメリカを理解するのは無理であって、
連邦憲法の意味を理解することから入らないとアメリカという"法の大国"の素性は全くわからない。

そして連邦憲法を問題にすると、必然的に合衆国最高裁の歴史ドラマとなる。
まさにConstitution of liberty というべきアメリカの連邦憲法は、制限憲法であり、
連邦議会の立法権力を限定列挙で制限(enumerate)し、連邦と州の関係を定めている。

レーンキスト コートのNew Federalismによって現在のPost-NewDeal-constitutionは、元の憲法と連邦最高裁に
ある程度は回帰したが、一旦、巨大化してしまった連邦政府はどうにもならないのが現実だ。
しかし今後もアメリカの政治状況はその憲法解釈と表裏一体で進むのである。



2007年02月11日
posted by libertarian at 15:30| Comment(0) | TrackBack(0) | Law | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック