2007年03月21日

Criminal Code

昨今、知的財産法や不正競争防止法などで、大幅な刑罰の強化が進んでいるが、これは、全く効果がないだけでなく極めて危険なことだ。
この刑罰強化に意味がないという点は池田さんの指摘する通りだ。
ポパーは、次のようなことを書いているが、今は、経済法の分野を端緒として、刑罰理論の逆行が進んでいる。ほとんどの法律屋は分かっていないが、経済法を限定的に捉えるのは間違いであり、これは結局個人への脅威に帰着する。法人税率アップが個人への増税に帰着するのと同じである。


われわれの手で改善された二つの事柄について手短に触れてみよう。
最も重要な点は、私の子供時分や青年の頃にはまだみられた大衆の恐ろしいまでの貧困が今は消滅したことである。

第2は刑法の改革である。
最初、刑罰の軽減は犯罪の減少につながるだろうと期待した。しかし、事態がそうはならなかったとき、われわれはそれにもかかわらず、むしろ悪事を被ろうとする道を選んだ。批判者たちは、われわれの社会が腐敗していると非難する。おそらく彼らは、他方の選択肢が意味するところを理解していないのである。われわれが選んだ法秩序は凶悪な犯罪者にも、疑わしいだけでは罰せられない完全な法的保護を保障する。そして、われわれはこの法秩序を無実の者に対しての法の保護が与えられず、無実であることに何ら疑いのない場合でさえ処罰されてしまうような法秩序に対して選び取ったのである。
しかし、われわれは、おそらくこの法秩序を選ぶ際に、さらに他の価値も選んでしまったらしい。
われわれは全く無意識のうちに、ソクラテスのかの素晴らしい格言を適用したのであろう。すなわち、「不正をなすより、不正を被るほうがよい。」

カール ポパー よりよき世界をもとめて から抜粋


2007年03月21日
posted by libertarian at 15:40| Comment(0) | TrackBack(0) | Law | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック