2014年03月19日

Total War

日下氏と伊藤貫氏の対談本で、戦争がTotal War(総力戦)になったのは、アメリカが介入しだした第一次世界大戦くらいからとあった。それまでのヨーロッパのウェストファリア条約以来の伝統であった紛争の解決手段としての武力行使が、30年戦争以前のものに退行することになった。
Total war,総力戦とは、相手を完膚なきまでに叩き潰すという意味である。
ウェストファリア条約以来のヨーロッパの戦争とは
・奴隷を使わない戦争で、非戦闘員、民間人を攻撃対象としない
・条件付き降伏
・平和の回復
が条件となっており、勝った側が相手の文化や宗教や国体までを破壊してはいけないという了解があったそうだ。
これが国際法のベースとなる了解になる。

総力戦とは、この全てが逆。
基本的なポリシーは、敵の地上からの殲滅、抹殺であり、それは現実的に難しいが、それに限りなく近いことをする。
アメリカの戦争は常にこの意味で総力戦である。もちろん、アメリカは国際法を一切無視するし、最初から合理的な戦争目的も持っていない。
これはGKチェスタトンの弟のチェスタトンが、アメリカを中世を経ないヨーロッパと見たのはこの意味だ。
インディアンの虐殺しかり、南北戦争しかり、第一次世界大戦、日本、ベトナム、イラク、どれも総力戦だ。
アメリカはまず相手を,demonizeし、つぎにdehumanizeし、人間ではないとする。インディアンも日本人もそうやって虐殺された。

戦争の作法を成金新興国のアメリカが完膚なきまでにぶちこわしたのが20世紀の戦争だった。
第一次世界大戦でドイツに対する徹底的な破壊と不可能な賠償請求、ワイマール憲法の強制もそうで、それがヒットラーを台頭させた。

アメリカは、昔から親中で反日の傾向が強かったが、アメリカと中共は似た性質をもつのだろう。
アメリカの覇権がシュリンクした後には、中共にアメリカのTotal Warが引き継がれる恐れが高い。

posted by libertarian at 15:36| 東京 ☁| Libertarianism | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする