2014年07月24日

Luddite



「政府は雇用創出のため、機械力などによる経済合理化を制限する事で、人手を増加させる方策をとった。第一次ラインハルト計画や1933年7月15日の「タバコ産業における機械使用の制限に関する法」には機械力制限が明記されており、事業資金中の賃金費用の割合が増大した。事業資金全体に占める賃金割合はパーペン計画では43.8%、緊急計画では38.0%、アウトバーン建設では46%、第一次ラインハルト計画に至っては70%であった[88]。

パーペン計画、緊急計画、第一次ラインハルト計画の三計画によって1935年までに50万人の雇用が生み出され[90]、さらにドイツ国鉄も4万人の職員を雇用した上に6万人を短期雇用し、さらに発注によって工業・手工業界に25万人の雇用を生み出した[91]。また郵便事業などの公社も個別に雇用を増大させている。

1933年の一年間で失業者は200万人減少したが[92]、工業雇用の回復よりも失業者数の減少が大きいなど[93]、再び生産過程に吸収されたのはその7割ほどであった。また従来失業者にカウントされていた失対労働者、農業補助者、勤労奉仕者を労働者として数えるという統計操作も行われていた[94]。しかし失業者を減少させるという社会政策的には大きな意味があり、ナチス政権の安定化に寄与した[95]。1935年以降の再軍備による軍の雇用もあり、1937年には失業者数を求人者数が上回り、ほぼ完全雇用が達成された[96]。」


ここにあるようにあえて機械化をさせず、人力で仕事をやらせることで、雇用を増やしたようだ。
合理的ではないが、人間のメンタルに与えるプラスの影響はあったのだろう。
福祉のように、ただお金をもらうのではなく、労働対価として正当に賃金を得る方がプライドは傷つかない。
それが、「公益は私益に優先する」というナチスのスローガンにも即していた。
このスローガンは今の日本でもすんなりと納得してしまう人間は多いだろう。
いや、そんな人間の方が圧倒的な多数派に違いない。

統制経済のような社会主義的施策は、長期的には成り立たなくとも、数年ならごまかしがきくのかもしれない。
とにもかくにも短期間で失業率40%の状態からほぼ完全雇用を実現してしまったから、ナチスは当時世界から称賛されていた。
驚くべきことは、1938年の時点でナチスの一人当たりGDPが非常に高かったことである。
先のグラフのように、アメリカ、イギリスの6に対し、ドイツは5強あった。
対して日本はソ連よりは少し高かったが、2.3だ。ドイツの半分もなかった。
一人当たりGDPが低いと、戦時中には国民が激しく窮乏する。

日本も戦時中は統制経済をやっていた。しかし統制経済では資源価格が市場調整を経ないために、資源の浪費が起こる。それは人間、人材に対しても同様だった。例えば、日本では高度熟練技術者も、一平卒として平気で徴兵していた。
こういったラッダタイト的な方法は、今後ロボットが普及していく過程でも再び起こりそうだ。
posted by libertarian at 13:08| 東京 ☁| Modern HIstory | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする