2015年09月19日

オフショアバランシングと日本の独立

今のアメリカのグランドストラテジーなるものは、伊藤貫氏などの話から思うに、中東と極東のDOUBLE CONTAINMENT戦略にある。これは具体的にアメリカが現地に軍事駐留し紛争当事者となるやり方である。
極東のリムランドとして日本が、中東のリムランドとしてはサウジアラビアがその拠点である。ヨーロッパはNATOによって直接、間接に軍事支配されている。

レーガンの頃の中東戦略は、OFFSHORE BALANCINGだった。レーガンは中東にあった軍を撤退させて、イランイラク戦争のオフショア・バランシングの戦略に切り替えた。そこがレーガンの慧眼であったが、レーガン以後、アメリカはディーブな当事者関与に切り替える。

一方の日本は冷戦以来、ずっとダブルコンテインメントされているわけだ。
理想的には、アメリカがオフショア・バランシングに極東戦略を切り替え、日本に軍事的独立を許したうえで、同盟関係を結ぶことにある。今の日本の自衛隊は部分的には優れた軍備を持つようだが、アメリカと補完的なセットになっており、アメリカが抜けるとセットとして機能しない軍備のようだ。ゼロ戦だけ優れていても戦争では勝てないのと同様、全体としてのバランスがなければ優れた兵器も効果はない。

具体的には日本には爆撃機のような相手の軍事拠点を攻撃する兵器がない。しかし、将棋と同様に受けるだけでは戦闘には勝てない。ミサイル防衛網などインチキであり、気休めにしかならない。
そもそも攻撃兵器はミサイルにしても大した精度はいらない。それゆえに低コストだが、迎撃ミサイルにはとてつもない精度が要求され、コストは比較にならないほど高い。実際にその性能はインチキだが、ある程度の迎撃能力が仮にあったとしても兵器の性能はコストも重要な要素だから、コストで圧倒的に劣る兵器は物量で容易に打ち破られてしまう。

日本が軍事的に独立し、MINIMAL DETERRENCEとしての核システムを保有し、自立防衛が可能な軍備を備えなければいけないのは自明である。その上での日米同盟があるのがベストである。
しかし、アメリカが軍事戦略転換をする可能性は今のところ、ほとんどなさそうだ。リアリストの主張はアメリカでもメジャーではない。

アメリカのアフガンやイラク侵略を見ても、アメリカの戦争観はキリスト教をベースにした「正義は我にのみあり」というウェストファリア体制以前の野蛮なものである。アメリカが世界を不安定にさせアナーキーにしているのは間違いがない。敵をデモナイズするという宗教戦争と同じ過ちを当たり前のように行っている。
今はテロリストと呼ばれるムスリムが問答無用の悪魔である。
イラクの時はフセインの残虐行為なるものを有る事無い事書き立ててデモナイズをしていたが、もっと酷いことをしているシリアなど他の国のことは棚にあげる。イラクはもともとはイスラム諸国の中では近代化が進んだイスラムの優等生であった。一方でサウジアラビアのような未だに公開石打ち処刑が行われているようなワッハーブ派の国のことは全く問題にしない。
アメリカの目的は単に都合の悪い敵をデモナイズするキャンペーンにあるわけだ。

だが、アメリカは大統領次第でレーガンの時のように大胆な戦略変換を行う可能性もあるが、アメリカはドローンやロボット技術といったテクノロジーで今のグランドストラテジーを維持できると考えてるようにも思われる。ドラマのHOMELANDのシーズン4を見るとアフガンでのドローン戦争が描かれていて興味深い。
このドラマはアメリカにしては懐疑的な色調があり、アメリカは敗れるのだが。

ミアシャイマーの本などを見ても、やはり西欧中心史観というか、アナーキーを人類の本質としてみているところがあり、アナーキーを欧米のキリスト教諸国が作り出してきた歴史的事実をネグレクトしていると思われる。
そもそもミアシャイマーの歴史認識はかなり怪しい。w

日本人はすっかり洗脳され萎縮してしまっているので、もはや日本には独立自尊の気概などどこにもない。
仮にアメリカがオフショア・バランシングに切り替えたとしても、日本は独立を拒むだろう。
独立自尊の気概なき国家は滅ぶ可能性、リスクが高い。
posted by libertarian at 16:07| 東京 ☀| Politics | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする