2015年12月15日

問題はイスラムでなくチャイナである:From Islam to China

中東問題を論じている連中を見ていると、特徴的なのは連中は中東の歴史も全く知らなければ、イスラームについても全く何も知らないということだ。こういうバカな連中がメディアでイスラム国をいかにして殲滅するかなどと調子に乗って話しているからバカを通り越して危険である。
欧米は基本キリスト教徒だから、イスラームは問答無用で許せないらしい。
これが中東紛争が宗教戦争になる所以である。

欧米はずっと宗教戦争をしてきたが、近代になると宗教を前面に立てた戦争はしなくなる。
パワーバランスによる覇権争いやセキュリティ競争といった形に戦争はなっていく。
そして冷戦になると実際の米ソの戦闘は避けられ、イデオロギー競争という面が出てくる。
ソ連とアメリカの対決は、社会主義と資本主義、もしくは自由主義の競争という色彩が強かった。
しかし、結局これも情報戦に過ぎなかったのではないかという気がする。ほんとの意味でのイデオロギー競争があったとは今振り返るとあまり思えない。

そもそもイデオロギーという面でいえば、現在必ずしもリベラルな自由主義が勝利しているわけでもない。むしろ社会主義の方が勝ったのではないかと思われる。これは社会主義というよりもBureaucracyの勝利というべきかもしれない。結局、覇権争いが事の本質であり、宣伝戦としてイデオロギー対立なるものが利用されていただけだろう。

中東紛争に関して言えば、これはまさに宗教戦争でウェストファリア以前の戦いになってくる。
もともとウェストファリア体制は欧米でも第1次大戦以降は壊れており、トータルウォーの殲滅戦となっているから、変わらないわけだが。
ミアシャイマーのいうとおり、アメリカはイスラエルロビーに利用されたのか中東の宗教戦争に関与しすぎた。
というか自身が十字軍として行動しすぎたわけだ。カプランはリベラルだから途中で投げ出すのは無責任だと言っているが、そんなことはない。関われば拘るほど状況は悪化する一方なのが事実であり、アメリカの設計主義的侵略主義はとっくに破綻しているのであるから、中東からは手を引くのが双方にとってメリットがある。欧米が手を引けばテロもなくなる事は間違いない。

中東には大きくスンナとシーアの対立と、世俗主義と厳格主義の対立がある。
単純に考えれば、これは2*2の4つに分裂するしか手はない。
民族対立も入れれば、もっと複雑になるが、イスラム世界はそうやって自生的な均衡点に行き着くまでほっておけばいいのだ。イスラムはキリスト教よりは他宗教に寛容なのは事実であるようだから、それも可能だろう。今のISのような状況は欧米に対抗するため戦略的に作り出したカオスのように見える。

それよりも問題はミアシャイマーがいうとおり支那である。
支那は宗教もイデオロギーも高尚なことは一切関係ないむき出しの覇権主義だから、分かりやすいともいえる。
支那経済が危険状態と言われているが、支那はもとより共産党独裁体制であり法治国家ではないから、支那の企業には破綻という法的仕組みがない。だから、リーマンショックのような企業の破綻の連鎖みたいなものはありえない。どのような形のクラッシュになるのか想像が難しい。また経済がめためたになったとしても、支那は共産主義を捨てないから革命でも起こらない限りなにも変わりようがない。
また万が一、支那が共産主義を捨てて自由主義になったとしても、その覇権主義は変わらないため、依然として支那の脅威は衰える事がないわけだ。支那がロシア型の分裂解体をして縮小しないかぎり、脅威は去らないことになる。
posted by libertarian at 20:07| 東京 ☁| China problem | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする