2016年01月26日

Rome

先日、手術で入院中、塩野七生さんの「ローマ人の物語」などを読んでいた。
塩野さんの本は、小説的脚色は抑えられていて歴史書に近いところがよいと思う。かなりの資料を参照しているらしいことが伺える。
但し、ローマ側、権力側の視点の資料に基づきすぎているのではないかという批判もあり、多分そうなのだろうとも思う。歴史家は古代言語を読めたりといった特殊技能がある場合もあるだろうが、普通、科学や技術、経済、法律といった専門分野はよく知らないので、その歴史解釈も通俗的なものになりがちである。
逆に科学者や技術者や経済学者が歴史を研究することは無理ではないので、そういった著者の本の方が興味深かったりする。たとえば、マットリドレーの「繁栄」などは、科学者の書いた歴史書として優れていると思う。マクニールの世界史よりもむしろ内容はあるかもしれない。
しかし、ジャレドダイヤモンド(地理学者)の本は内容が相当に出鱈目なようなので読まない方がよいかもしれない。

入院中に読んだ本で、「金融の世界史」(板谷著)もなかなか面白かった。
1700年代位からの近代の歴史は、その国の金融技術が戦争資金の調達能力の差となり、戦局にも大きな影響を与えていたことがよくわかる。
この辺りのテーマでは、バーンスタインの本「豊かさの誕生」も良い本だ。
「華麗なる交易」も合わせておすすめである。

ローマ法に関しては、ずいぶん前にこのブログでも書いたが、「ローマ法の原理」 フリッツ シュルツ 著もよい本である。しかし、古代ローマは法律、民法はあったようだが、裁判所はなかったのだろう。警察権力もなかったのかもしれない。
ドラマ「スパルタクス」などを見ると、殺人などは平気で行われているが、裁判になるわけでもなく、泣き寝入りか復讐かになる。
ローマ帝国は未だになかなかに興味深い存在ではある。

posted by libertarian at 14:18| 東京 ☀| Modern HIstory | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする