2016年07月23日

トランプ大統領のメリットとデメリット

トランプが共和党の大統領候補に指名された。
youtubeで演説を見て、さらにそのtranscriptを読んだ。
英語のヒアリングだけでは心もとないので演説原稿を読んだわけだが、英語のヒアリングができないのは単に聞き取りだけの問題ではなく、仮に聞き取れたとしてもこの英文をスピーチのスピードで頭から理解するのはなかなか大変だと思う。w

演説原稿↓
http://www.vox.com/2016/7/21/12253426/donald-trump-acceptance-speech-transcript-republican-nomination-transcript

それはさておき、日本ではトランプがメキシコの国境に万里の長城みたいなものを作ると言っているといったことばかり話題になる。しかし、そんなものは議会を通るわけがないので、どうでもいいことなのである。
だが、メキシコとの国境地帯の荒んだ犯罪多発状況はアメリカにとってほんとに深刻な事態なので、これにトランプは真正面から向き合うという宣言と受け止めるべきだ。

前にも書いたが、トランプが大統領になるメリットは多々ある。
思いつくままに書くと、、

1.トランプは選挙資金を他に依存しないので、クリーンである。従来の大統領は莫大な資金提供者の意向にしばられていた。トランプはそういったしがらみがない。共和党にありがちな宗教右派、キリスト教原理主義とのしがらみもない。

2.傑出したアントレプレナーであり、リアリズムの立場をとるだろうこと。アメリカファーストはその一つの表明ともいえる。

3.アメリカの冷戦終了以降、約30年続いたリベラルヘゲモニー戦略、直接介入主義を終わらせるだろうこと。このことは、アメリカのオフショア・バランシング戦略への転換の可能性を含む。

4.アメリカのリベラルによるポリティカル・コレクトネス運動を是正するだろうこと。

5.アメリカの伝統的な立憲主義的な立場を重視するだろうこと。

6.アメリカ最高裁の判事の構成は現在、民主党寄りのリベラルに傾きすぎているが、これをトランプの代である程度是正できるかもしれないこと。

一方で、懸念される点として、
1.自由貿易の意味を理解してないこと。不動産業というドメスティック産業の出身なので、マクロ経済、自由貿易の意味を理解していない。トランプはNAFTA,TPPをやめると宣言している。
だが、これも議会を通さないと通らない。また大統領になってからの教育によって態度を変える可能性はあるだろう。

2.今はFRBの金融政策を理解はしていないだろうが、適切な金融政策、財政政策を理解するかどうかは未知数。これも今後の教育次第。

私が思うにトランプが大統領になるメリットはデメリットの可能性を上回る。
トランプはレーガン同様にアメリカの共和党の偉大な大統領になれる可能性はあると思う。
経済政策を間違えず、軍事外交戦略をオフショア・バランシング戦略に転換することができたら、トランプは間違いなく偉大な大統領と言われるようになるだろう。

一方のクリントンが大統領になった場合は、従来のリベラルヘゲモニー戦略、直接介入主義の強化をするだろう。オバマのハーバードリベラル的な理想主義、核廃絶論はやめるだろうが、従来踏襲路線によりアメリカのヘゲモニーがさらに揺らぎ、チャイナの台頭を許し世界の不安定性は増大するだろう。これによって日本の軍事的な不安定性も増すだろう。私はクリントンが大統領にならないことを願ってやまない。
posted by libertarian at 09:42| 東京 ☁| アメリカ政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする