2016年08月08日

トランプはアイソレーショニストではない

ネイト・シルバーのベイズ統計理論を駆使した選挙予測が正しいとすると、トランプはかなり苦しい状況にある。
しかし、このリアルタイム予想は変動幅も大きいので、今後どうなるかは、まだ分からない。

ところで、トランプはアメリカ伝統のアイソレーショニストだということがしばしば言われる。
これは言葉の定義によるが、モンロー主義なるものをアイソレーショニズム(isolationism)だとするのであれば、アメリカは決してモンロー主義の孤立主義に戻ることはないだろう。
ミアシャイマーもトランプはアイソレーショニストではないと明言している。

国際関係は、経済と同様に時事的な問題なので、全てを予め予想することは不可能だし、現実に応じてスタンスを変えていかなければいけない。
リアリストにもいろんな意見があるが、ハンティントンのような大御所はアメリカが東アジアから撤退し、チャイナが覇権を握ると予想していた。これは日本人にとって最悪のシナリオである。

ミアシャイマーは、アメリカのネオコン的なリベラルヘゲモニー戦略は不可能であることを当初から主張しており、オフショア・バランシング戦略への転換を唱えている。そして戦略地域の優先順序が、東アジア〜北東アジアに現在、最大のプライオリティがあり、そちらへのシフトが必要であると主張している。
クリストファー・レインはハンティントン同様にアメリカの東アジアからの撤退を不可避と考えている。

もし、クリントンになれば、日本やアジアにとっては、最悪の予想が現実になるだろう。
つまり、従来路線踏襲の超タカ派として女クリントンは行動することが予想されている。
#オバマ政権は従来路線踏襲のハト派みたいなものだった。
この場合は、ハンティントンやレインの予言が現実になる危険性が高い。つまり、アメリカは不可避的に東アジアへのコミットメントを減らし、あとは勝手にどうぞと撤退する可能性である。
ロシアを敵視し、NATOにリソースを従来通り投入してしまえばそうなる。
ちなみに、今までのアメリカの戦略的なプライオリティは、NATO>=中東>東アジアだったわけだ。
ミアシャイマーは、今のプライオリティはNATO<中東<東アジア だと主張している。
アメリカという覇権国がチャイナが覇権国として台頭するのを阻止することが、アメリカにとって最も国益にかない、同時に世界にとってありがたいことなのである。

最善のシナリオは、ミアシャイマーの言うとおりNATOから駐留軍を大幅に引き上げ、東アジアに軍事的力点を大きく移すことである。
これができる可能性があるのは、トランプであり女クリントンでは出来ないとミアシャイマーも思っているに違いない。また、従来の共和党候補もやはり従来路線踏襲だったのである。その点、トランプの登場の意味は極めて大きい。

現在、チャイナの侵略がエスカレートする状況で、北のミサイルに対しても、日本政府はゴジラの来襲のように何もできないわけだが、もはや日本政府には何も期待できない。
アメリカの大統領選が今後の世界を大きく決める正念場のように思う。
私が危惧してやまないのは、アメリカ史上最大の成り上がり者夫婦の女クリントンが大統領になることだ。クリントンが大統領になればチャイナ、中共がアジアの覇権を握る恐れが現実になるだろう。そうなれば、日本は完全に終わりとなる。

posted by libertarian at 14:21| 東京 ☁| アメリカ政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする