2016年10月18日

建築の寿命

建築のスクラップアンドビルドというのは、割と重要なテーマだと思う。
だが、この問題に真正面から向き合った考察は寡聞にして知らない。
建築を文化財として考えれば、できる限り長く保存すべきだということになるし、消費財の一つにすぎないと考えれば経済性でスクラップアンドビルドするということになる。

日本も戦後の名建築は筑後40−50年という短期間でスクラップアンドビルドされるものが多い。
これを、どうにかして残そうというDOCOMOMOのような運動もあるが、何の強制力もないので、残されるものは少ないのが現実だ。

私もレトロビンテージが好きなので、味わいのある旧い建物はなるべく残ってほしいと思うわけだが、それを許さないメカニズムが何なのかを明確にしないといけないだろう。
もっともモダニズム建築が割と簡単に壊される傾向にあるのは、必ずしも日本だけの現象ではないようで、アメリカでも同様のようだ。
もともとモダニズム建築が工業化社会の商品として生まれたということは、それがスクラップアンドビルドされることを想定していなければおかしいとも思われる。

日本の場合は、建築基準法がどんどん変わり、耐震基準も変わるし、それに適用しようとすると壊して建て直した方が安上がりという現実があるのは事実である。また、建築に事実上の減価償却期間が定められているというのも日本に特異な状況である。

建築基準や減価償却期間の問題は立法論上の大問題であり、経済的な合理性がそれらの規制にあるのかどうかは問題である。おそらく減価償却期間の設定は全く有害無益な規制であろうと思う。

だが、RC建築の寿命は当初言われていたより短く、実際50年程度で相当にガタがくるのは事実のようだ。
これはコンクリートという人工物素材の限界なのかもしれない。
コンクリートでなく天然の石造りの家や木造建築は、ずっと長くもつだろう。

その点、RC建築をベースとしたモダニズム建築は、やはり50年が限界で、建て直すしかないのかもしれないとも思う。
もし、ほんとにそのデザインがいいのなら、デザインをそのままに構造だけ新建築基準に準じた作りで再構築するというオプションもある。

前川国男の名作建築であるとか、私の子供の頃はまだできたばかりという感じで、子供ながらにその雰囲気に感動し圧倒されたものである。それが終わるということは自分の生きてきた時代が終わるような気がして寂しいものがあるが、そう悲観するほどのことではないのであろう。w







posted by libertarian at 01:00| 東京 ☀| et cetera | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする