2007年06月09日

Notice Notice and Takedown

日本のプロバイダー責任法と、アメリカのプロバイダー責任の違いについて、また少し著作権絡みの話を纏めておこう。
アメリカの電気通信法(1996)は、プロバイダー責任の免責事由を定めている。
通常、発信者(Publisher)と、頒布者(distributor)の著作権侵害責任について、新聞社や出版社などのPublisherには厳格責任(strict liability)となっており、distributorである書店などは過失責任となっているが、これに対しインターネットプロバイダーの著作権侵害に対する厳格責任を免責するのが電気通信法である。#しかし特許侵害などに対しては、プロバイダーに対しても厳格責任は適用される。

またデジタルミレニアム著作権法(DMCA=Digital Millenium Copyright Act、1998)では、Notice and takedownというルールが定められている。

これはプロバイダーに対して、侵害通知の窓口を設けることを要求し、自称著作権者から侵害の通知があった場合、削除(takedown)できることを法律で保証している。つまり著作権者であることの確認を要せず、プロバイダーがこの通知をうけて削除して仮にその要求が間違っていたとしてもプロバイダーが削除したことに対する責任はないこととしているのである。
DMCAは、評判の悪い法だが、実は削除した場合のprovider責任を軽減している。
この点ではプロバイダー側にとってはありがたい法律だろう。

一方日本のプロバイダー責任法というのは、これと似て非なるものである。
自称著作権者から侵害通知があれば、発信者であるプロバイダーユーザーに対し通知をし、その発信者が7日以内に異議の通知をしなければ、削除が"できる"としている。
これはNotice Notice and takedownルールである。

この「できる」というのが曲者で、もし侵害だという通知が間違っていた場合、プロバイダーが発信者のコンテンツを削除するのは違法もしくは不法行為となる。
そしてプロバイダー側には、この判断リスクがあり、削除も簡単にはできない。
Youtubeなどが、通知によってどんどん削除しているのは、DMCAに則った行動であり、日本では削除も実はままならないのである。

また削除しなかった場合は、今度は著作権侵害訴訟のリスクがあり、実際訴訟になれば先に書いたように、著作権法の直接侵害規定の拡大適用がされる可能性が高い。
法環境的には、日本のプロバイダーサービスはあまりにリスクが高く、著作権法を早急に変更しなければ早晩成り立たなくなるだろう。
posted by libertarian at 10:52| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | IPR(Intellectual Property Right) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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