2016年11月22日

ロシアとアメリカの友好の意味

トランプがロシアに対して友好的なスタンスなのは非常によいことだ。
ミアシャイマーは、ウクライナとクリミアの問題の原因はNATO=EUの増長にあり、その非はNATOの側にあると考えている。
現在の共産主義を捨てたロシアは、冷戦以前の共産主義ソ連のような潜在的覇権国とはみなされない。実際問題、今のロシアの国力を示す経済規模は十分に小さい。
ミアシャイマーは、現在のヨーロッパにはロシアを含め潜在的な覇権国がない以上、これ以上、アメリカがNATOにコミットして拡大路線をとることに批判的であった。アメリカはNATOから駐留軍を引き上げ、ウクライナは今まで通り、干渉地帯として放置すべきである。

Why the Ukraine Crisis Is the West’s Fault
-- The Liberal Delusions That Provoked Putin
by John J. Mearsheimer
http://mearsheimer.uchicago.edu/pdfs/Ukraine%20Article%20in%20Foreign%20Affairs.pdf

そして、NATO=EUの増長を推進してきたのは、ほかならぬオバマ民主党であった。この間、ヒラリーが国務長官だった時には、テロまがいの介入をいろいろとしていたようだ。リビアやグルジア問題もアラブの春も、アメリカの工作があった。
もし、ヒラリーが大統領になっていれば、ロシアとの対決姿勢を強め、NATOの拡大路線も強化しただろうと考えられている。これは、かえってロシアとチャイナとの結びつきを強め、チャイナとイランとの結びつきも強めた可能性が強い。軍や警察は反ヒラリーでトランプを支持していたが、もし、ヒラリーがアメリカ大統領というアメリカ全軍の総司令官となっていたら世界は滅茶苦茶なことになっていただろう。そうならなくて本当によかった。大災禍は未然に防がれた。あとはヒラリーの重大犯罪を訴追するだけである。ジュリアーニには頑張ってほしい。

対して、トランプがロシアとの関係を友好にすることは、チャイナ包囲による有効な抑止になる。
日本とチャイナの周辺国にとっては、ロシアとチャイナが結託することが最悪の状況だから、トランプのロシアとの友好路線は大いに歓迎すべきことである。

ミアシャイマーのTheoryでいえば、現在の世界における潜在的な覇権国はチャイナだけだ。
だから、アメリカはこの台頭を阻止しなければいけないし、そのために軍事バランスを対チャイナシフトしなければいけない。具体的には今までNATOと中東に投入してきた軍事力を対チャイナシフトに転換しなければいけない。
チャイナ周辺国の間は地理的な距離がかなりあり、有効なチャイナ包囲網(バランシング同盟)を取りずらい。アメリカはこれらを結びつける糊のような役割をする必要があるというのがミアシャイマーの考えだ。
このバランシング同盟の要がアメリカと資本主義国ロシアとの友好関係なのである。

トランプの登場で、アメリカの戦後70年以上続いてきた、ダブルコンテインメント戦略、つまり日本を瓶の蓋にしつつ、旧ソ連と日本の両方を封じ込めるといったアメリカの基本戦略もようやく大きく変わる可能性が高い。

posted by libertarian at 01:20| 東京 ☀| アメリカ政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする