2016年11月27日

オバマケアという大災害

トランプの主張を知るのに一番よい本は、トランプ本人が書いたマニフェストというべき”Crippled America”だろう。評論家のバイアスのかかった本よりも、一次資料としてこちらを読むべきである。
この日本語翻訳「傷ついたアメリカ」も出ている。

この中で、オバマケアに対するトランプの批判が簡単に述べられている。
日本人はオバマケアと言われても全くなにもわからないだろうが、アメリカに住んでいる知人から聞いてもこの保険料支払いだけで月に10万円以上になったりで、かなり大変だそうだ。

トランプは、オバマケアそのものが大災害だと非難しているが、その理由は、
1.控除免責額が上がり続け、免責額があまりに高くなり、トラックにでも轢かれなければ保険がでない。
2.保険会社からの支払いを受けるために医者は、看護師よりも会計士やプログラマーを多く雇わなくてはならない。
3.保険会社とは各州で一つの会社としか交渉できない。普通は競合によって値段が下がるものだが、現行法は保険会社同士の競合を防いでおり、各州で実質的な独占を行わせている。
4.アメリカは社会保障も高齢者向け医療保険制度も切り捨てることはできない。そんなことは論外だ。これらは経済を発展させることで存続が可能だ。
5.米国民に手の届く医療保険をいかに提供するかといった複雑な問題に対して、私はビジネス上の問題解決と同じ手法を使う。その問題についてもっとも知識の豊富な専門家を雇い、彼らを部屋に閉じ込め、何らかの方策を考えだすまで外に出さないのだ。

最近、トランプはオバマケアを廃止しないと言うようになったとか日本のニュースでは言っているが、そんなことはない。最初からトランプは医療保険制度の重要性は主張しており、オバマケアの制度設計が酷すぎると批判しているだけだ。トランプは保険会社の地域独占を終わらせ、保険会社に競争原理を持ち込むことで、医療保険制度の抜本的な改革をしようとするだろう。

オバマのような極左といってもいいリベラルの政策は、保険会社に独占をさせたりといかにもな社会主義的なトンデモ政策だったことが問題なのである。
オバマは日本の菅直人のようなどーしようもない左翼活動家に近い人間だったと思う。

トランプは経済を発展させることが医療保険を充実させる上で重要だと言っているが、全くその通りであり、このことは日本においても全く同様なのである。

ちなみに、オバマケアという国民皆保険制度はその制定以前から合憲性が問題視されており、もとより健康保険への加入を国民に強制する権限は連邦政府にはない。
そのため、違憲訴訟が多く提起されたが、セベリウス事件で最高裁は5:4の僅差でこれに合憲判断を下した。
主席判事ジョンロバーツの法廷意見は、その根拠を連邦政府の課税権においた。しかし、この論理にはかなりの無理があり、強い批判がいまだにある。

THE TRUMP - 傷ついたアメリカ、最強の切り札 - -
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posted by libertarian at 09:50| 東京 ☀| アメリカ政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする