2017年05月03日

パワーバランスの右と左

国際関係論(International relations,IR)という分野がある。ミアシャイマーも、その一つだし、ルトワックなんかも入るかもしれない。
こういった社会学系のいわゆる学問は狭い分野であるが、どの程度の影響力を持っているのかさだかでないところがある。

そもそもIRというのはイデオロギー中立のものではない。しかし実際にその中でやっている人達はイデオロギー中立の科学的な学問だといいたがる。これはミアシャイマーなんかも同様だ。
IRでは歴史的な事実を根拠、論拠にすることが多いが、歴史が少しでも入るとイデオロギー中立はまず困難になる。
事実、ミアシャイマーのTheoryの論拠は歴史的な考察にあるが、ミアシャイマーの日本やチャイナの近代の歴史観は完全にチャイナの文献に依拠しているから、少し歴史にうるさい日本人からみれば、日本に関してとんでもない歴史観をしていると思うだろう。私は、ミアシャイマーのTragedy of great power politicsを英語原書で読んだが、関東軍のことをワンタン軍(kwantung army)とチャイナ表記で書いていることからもこのことを確信した。w

アン・コールターなどは、ミアシャイマーをリベラル連中の一人だと呼んでいる。ミアシャイマーと共著の多いハーバード大学のスティーブン ウォルトなんかは、たしかにゴリゴリのリベラルで、ウォルトはトランプのことも蛇蝎のごとく嫌っており、熱烈にヒラリー・クリントンを支持していた。w
こういうのを見ると、ハーバード大学というのは、ほんとにアメリカのリベラルのアカデミックな牙城なのだなと思う。
しかし、シカゴ大学のミアシャイマーはそんなにリベラルだという印象を私は持っていなかった。ミアシャイマーはトランプのことも支持していると思われる。

アン・コールターのいう左派リベラルの基準はどこにあるのかわからないが、想像するにBalance of Powersをいうような連中は大体リベラル野郎だと判断しているのかもしれない。w
この女史の本を読むと、まずもって、パワーバランスなどという発想はない。共産主義国家のような巨悪との共存といったいわゆる現実主義的、realisticな妥協など許されず、パワーバランスという弱腰なことを言っている奴は彼女の視点ではリベラルなへっぽこ野郎なのだろう。w
レーガンのように共産主義の悪の帝国は容赦なく叩き潰す決意をもたなければならないというのが彼女の考える保守なのだろう。
私はこれは一理あると考える。
パワーバランスという概念を、自由主義圏の中だけに適用し、共産主義圏は断固たる決意でその体制を叩き潰さねばならないということだ。共産主義の悪の帝国との妥協は許さないというのがやはり保守のとるべき態度だろう。



posted by libertarian at 01:06| 東京 ☀| アメリカ政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする