2007年11月08日

Much ado about nothing

「インクカートリッジ巡る訴訟、キヤノンの勝訴確定」というニュースがあったので、判例検索システムで調べてみたら早くもこの判決の全文が載っていた。
ざっと目を通しただけだが、以下に、この判決の結論部をコピペしておく。


”これらのほか,インクタンクの取引の実情など前記事実関係等に現れた事情を総合的に考慮すると,上告人製品については,加工前の被上告人製品と同一性を欠く特許製品が新たに製造されたものと認めるのが相当である。
したがって,特許権者等が我が国において譲渡し,又は我が国の特許権者等が国外において譲渡した特許製品である被上告人製品の使用済みインクタンク本体を利用して製品化された上告人製品については,本件特許権の行使が制限される対象となるものではないから,本件特許権の特許権者である被上告人は,本件特許権に基づいてその輸入,販売等の差止め及び廃棄を求めることができるというべきである。

 以上によれば,所論の点に関する原審の判断は,結論において正当であり,
論旨は採用することができない。”


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前にもこの話題は当Blogで少し詳しく論じたことがある。http://libertarian.seesaa.net/article/37255145.html

この最高裁判決では高裁判決どおりにキャノン勝訴を維持したものの、知財高裁の三村理論は採用しなかった。
要するに、キャノン特許の直接侵害品の輸入だとして、キャノンを勝たせたのだ。
これは、前にも書いたように現行法上は最も妥当な判断であろう。
三村理論は論理的に破綻しているので、三村理論を採用しなかった最高裁はまともな判断をしたといえる。
ついでに書いておけば、リサイクル行為自体が問題にされているわけではない。つまり特許の直接侵害行為がなければリサイクルインクを出すことはなんの問題もない。

posted by libertarian at 21:31| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | IPR(Intellectual Property Right) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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