2007年12月09日

Intellectual Privilege

Intellectual Privilege

Tom BELL氏のBLOG
http://www.intellectualprivilege.com/blog/

池田さんのBlogでも少し批判を書いたが(が、削除されたが(笑))、特許や著作権などの知的財産権を、財産権概念に含めるのは大きな間違いだ。
知的財産権は、自然権としての財産権の一部ではない。それは、言葉の意図的な誤用であり、もともと、これは政府から与えられる特権でしかない。

ただ、特権も譲渡可能なものとされると、擬似的な財産権的性格を持つようになる。
しかし特許等を譲渡したら、その維持、登録料などは譲渡された特許権者の負担になる。
つまり政府に対し、登録料を払う限りにおいて特権が認められるのだ。
これは、駐車場を賃借りしているのと似たようなものだ。借りている駐車場に財産権があるわけではない。

こういった言葉の正確な用い方は学問的にも極めて重要なことであろう。
ハイエクは、言葉の意味や使い方にかなりこだわりのある人であった。
The fatal conceiptという、ハイエクの最後の著作では、Our poisoned languageという文章を書いていて、言葉の意味が(左派によって)あまりにも乱脈に使われてきているために、正確な使い方ができる言葉が殆どないと嘆いている。

自由主義者の知財への批判というのは、決して本来的意味での財産権への批判ではない。
むしろ、これはアナルコキャピタリズム的な政府批判であり政府の無用な活動としての特権批判として理解しないとおかしなことになる。
政府が特権を制度化し、政府特権を乱発することで、世の中がおかしくなっているわけだ。だから、知財批判とは、知財だけの問題ではなく、独禁法批判や薬事法違反、あらゆる経済法への批判と一体のものなのである。

さらにもう一つ池田さんの誤解を書いておくと、オーストリアンの言う、リスクと不確実性とは、反対概念だ。池田さんの理解では、riskの反対はreturnで、不確実性の反対は確実性なのだと言う。(笑)
しかし、オーストリアンの言うriskとは、calcurable riskのことであり、これの反対はuncalcurable riskになる。そして、uncertaintyとは、このuncalcurable riskのことだ。つまり、不確実性とは、計算できないリスク(uncalcurable risk)のことをさしている。通常は正規分布を前提にして、リスクを考えるが、確率分布は正規分布だけではない。正規分布や二項分布は大数の法則を前提にするが、ポワソン分布などは少数の法則と呼ばれる。こういうめったに起こらない現象だと経験値の蓄積もないので、予測もできない。個人としては、事故などまれなものだから個々の事故の確率は予測はできないが、保険は多くの個人を集めて大数の法則に近いものを作り、加入者集団の中で負担分散の仕組みを作っているわけだ。

posted by libertarian at 23:16| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | IPR(Intellectual Property Right) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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